川越キリスト教会がつながりを持っているバーナム・アベイという、
イギリスに本部のある、小さな女子修道会があります。
そこのシスター二人が、南アフリカに隣接するレソートというところで
修道生活を送っていました。そこでの働きは、旧南アフリカ政府の
アパルトヘイト政策のために難民となってレソートへ移住する人びとに、
しばしの安息と祈りの場を提供することにありました。
その後もこの働きは続いたのですが、ついに財政難のために
働きを止めることになったそうです。
もう一つの大きな原因は、その働きの後継者が見つからないということにあります。
しかし、この二つの原因は深いところでつながっているように思えてなりません。
世界的な規模で人びとの経済生活は破綻を示すようになってきました。
この主な原因は、事実上国境のなくなった金融市場の投機的な活動に求められます。
そのために、勤勉に労働し、その対価として賃金を得るという
かつての基本的な姿勢が大きく崩れてしまいました。
何百年もかけて人類が築き上げて来た、「健康で文化的な最低限の生活」の実現
といった価値観も、それと共に崩れてしまったように思えます。
レソートにあったパーナム・アベイのような働きを細々とでも続けることが
今求められているように思えてなりません。
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