キリスト教会には昔から教会独自のカレンダーがあるのをご存じだと思います。
このカレンダーには、イエス・キリストの誕生と死(=復活)という二つの中心点があります。
この二つの中心は、特別な祝いと喜びの時であり、いずれも農閑期の始まり(クリスマス)と
終わり(イースター)に、設定されています。
農閑期の終わりとは、日本で言えば田植えから稲刈り、脱穀までを含む、
農繁期の始まりのことでもあります。
この農繁期に相当する季節を教会は、
使徒たちを中心とする最初の教会の人びとに聖霊が降った後(聖霊降臨後)の季節と定め、
自分たちの日常の生活の中で、信仰をどう証しするかという課題を追求して参りました。
それは言い換えれば、キリストを信仰するということが一体どのようなことであるかを、
自分の家庭や職場や学校での生活の中で、具体的に問い直すということに他なりません。
一年の内で最も長いこの季節の中で、アクセントをつけるかのように、
いくつかの特別な祝日が配置されているのも、特徴だと言うことができます。
一つのユニークな祝日は洗礼者ヨハネの誕生日(6月24日)です。
ルカによる福音書1章には洗礼者ヨハネの両親の物語、
またヨハネを妊娠中の母エリサベトと、天使の受胎告知を受けたイエスの母マリアとの
出会いの物語が配置されています。
クリスマスの丁度半年前に洗礼者ヨハネの誕生日が記念されているのです。
もう1年の半分が過ぎたのだという警告とも受け止めることができましょう。
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